こんばんは、増田です。
前回と前々回のお知らせの反響を、本当にたくさんいただき、ありがとうございます!今までで一番の反響です!「田中邦衛さんとのエピソード、他にないですか?」「アルバイトの話、増田さんっぽいですね!」などなど、今ボンマスダは、田中邦衛さんと北の国からネタで満載です!
「破天荒ぶりは分かったけど、そこからどうして料理人を目指そうとしたんですか?」と、これまた多くの方に聞かれます。
- 大学は北海道
- アルバイトは富良野
- 田中邦衛さんに出会う
- この間が謎
- 料理人になる
どうして料理の世界に入ったのかを、ノンフィクションでお伝えいたします。少々お付き合い頂けたら幸いです。
大学在籍中に、普通の人は「就職活動」をします。当たり前です。社会に出るのですから。。。普通ではなかった僕は、就職活動を一度もしませんでした。では、何をしていたかと言いますと。。。北海道の大自然の中で、フライフィッシングをしていました。いわゆる、釣りです。就職活動期間は授業がなかったので、毎日大自然の中で釣りをしていました。先生から何度も、就職活動をするように促されましたが、釣りに行っていました。なので、卒業をする時に、僕だけ就職先が決まっていませんでした。気がついたら、僕だけポツンと出遅れていました。。。実家のある箱根に帰った僕は、行動に出ます。川の近くで働こうと思いました。そうすれば、休み時間に毎日釣りが出来ると思ったからです。毎日釣りが出来る環境で、働きたかったのです。不純な動機です。。。当時、その川のほとりにあった公衆電話から、電話帳を見て片っ端から電話して「僕を雇ってください、やる気はあります」と交渉しました。やる気を全面に出して、直談判する。。。またこの方法です。。。しかし、ほとんど話すら聞いてもらえませんでした。そりゃそうです、突然電話してきて、雇ってくれって。。。普通ではないです。普通は“募集を見て応募する”だと思いますが、僕にはその普通の常識が、ありませんでした。10件20件30件。。。何も手応えがないまま、時間だけが経過しました。声も枯れ始め、心もズタズタになっていました。50件以上電話して、もうダメかと思っていたその時、ようやく話を聞いてくれるオーナーさんがいました。そして、面接をしてくれることになりました。
「君は料理を習いたいのか?」
「いいえ、違います」
「帝国ホテルって知ってる?」
「帝国ホテル?、いいえ、知りません」
このやりとりで、オーナーさんは僕の異変に気が付き「君はどうしてうちに電話をしてきたんだね?」──そこは、元帝国ホテルのシェフが経営する、オーベルジュだったんです。後から知りましたが、日本中から働きたいと応募がくる程、有名なシェフでした。僕は全て正直に話しました──「釣りがしたくて…この付近の電話帳を使い、片っ端から電話し、50件以上断られ、ここで止まりました」と。。。
大爆笑されました。「君みたいな奴は初めてだ、面白い、採用しよう!」──またまた完全に特別枠で、採用していただきました。そしてそこで、フランス料理に出会うのです。運命の扉が開いた瞬間でした。僕の人生が、大きく舵を切り始めました。見たことのない綺麗なお料理が、次々にテーブルに運ばれ、お客様が歓喜の声を上げる。。。豚の生姜焼きが夕飯の最高峰だと信じていた僕にとっては、あまりにも衝撃的な光景でした。僕は釣りがしたくてそこを選んだはずなのに、いつしかフランス料理の魅力に、惹かれていきました。気がつくと料理に夢中になり、この道を歩んでいました。
僕はこの話も、講演を依頼された際に、子どもたちに話します──「将来やりたいことが決まってなくても、途中で変わってもいいんだぞ、大切なことは本気になることだ」と。僕は小さい頃から、料理人になりたかった訳でもなく、料理人になりたくて就職先を探した訳でもありません。『結果として』この世界に入りましたが、気持ちだけはありました。そして本当に多くの方々に、支えていただきました。本気になれば必ず道は開ける──そんなことを、後世に伝えていけたらと思っています。
人生とは。。。偶然という名の必然の積み重ねだと思う、今日この頃です。
追伸
多くのメッセージをいただいておりますが、ご予約をすることをお忘れの方もいまして…ご予約も頂けたら嬉しいです!今月のおすすめコースは「こちら」。