9年目の想い

こんにちは。増田です。
今日は僕の想いを書きます。

毎年、10月6日に、 このことは書かせていただいております。

8年前の10月6日に、 ボンマスダはオープン致しました。

もちろんですが、 自分のお店を持つのは初めてで、

夢が叶った、という達成感より、 不安が心の中を支配していました。

本当にお客様は来てくれるのだろうか。。。

家賃は払えるのか、 スタッフにお給料は払えるのか。。。

頭の中は全く整理されていない状況での、 オープン日でした。

しかし、そんな思いはすっ飛びました。

お店に入りきらない程の、 お祝いのお花がどんどん届きました。

お店の中だけでなく、お店の前も横も、 お花でいっぱいになりました。

あの嬉しかった想い、

お花のいい匂いは今でもはっきりと 覚えています。

連日、「おめでと〜」とたくさんのお客様に 恵まれました。

ボンマスダの船出は、 最高のものになりました。

今思うと、順風満帆な日々でした。

あのことが起きるまでは。。。

4年前、コロナが流行り始めました。

営業してはダメ、お酒は出してはダメ、

人数制限しなさい、

そもそも飲食店がコロナの温床なんだ、

僕らは活躍の場を奪われました。

コツコツと積み重ねてきたものが、 崩れてしまいそうな感じがしました。

あの時はパニックという言葉がピッタリで、

どうしていいのか、

どうなってしまうのか、

全く分かりませんでした。

お店を守るため、

スタッフを守るため、

始めたテイクアウト。

とにかくやるしかありませんでした。

急にテイクアウトをやり出して、 買ってくれる人なんているのか。。。

そう思いながら、 LINEとメルマガを流したら。。。

数時間電話が鳴り止みませんでした。

一人目のお電話の方は、泣いていました。

“増田さん、絶対にお店を守ってね、 何でも協力するから”

泣きながら何度もそう言われました。

僕も涙が止まらなくなり、 西澤さんに代わってもらいましたが、

西澤さんも涙が止まらなくなっていました。

こんなにもたくさん応援をしてくれる人が いるのかと実感した瞬間でした。

コロナ禍で試行錯誤を繰り返す中、 2022年9月に起きた豪雨被害による断水。

コロナの大打撃に追い打ちをかけるように 起きた断水は心が折れそうになりました。

店内でぼうぜんとする中、 ある事が起きました。

次から次へと、 お客様がボンマスダに お水を持って来てくれたのです。

“ここに持って来たら、困っている人に届けてくれると思ったから、増田さん後は任せた!”

店内はお水のペットボトルと皆さんの想いで いっぱいになりました。

この時は目が覚めました。

僕には落ち込んでいる暇なんて なかったんです。

朝から晩まで皆さんからお預かりしたお水を 配りました。

実を言うと、 8年前、独立する時に、 箱根に帰ろうとしていました。

実家のある箱根の周辺で、 お店を出そうと考えていたんです。

それが僕の人生設計でした。

しかし、その決断をすると、 清水の方々に さよならを言わなければならない、

その寂しさもとても感じていました。

毎日、葛藤していました。

そんなある日、人生を決める一言を 言われました。

子ども食堂に来ているお子さんに、

「ずっと子ども食堂に来たいから ずっとやってね!」

そう言われました。

僕に抱きつきながら。

「もちろんだよ」

僕は、何の躊躇もせずに答えていました。

その子に、箱根に帰るから、 もう子ども食堂は出来ないよ、

とは言えませんでした。

そして、冷静に、その時の自分のことを 考えてみたんです。

毎月開催している料理教室に 来て下さっている生徒さんから、

「増田さん、来月は何のメニューやるの?」

と必ず聞かれます。

毎年、おせちを買って下さる方から、

「増田さん、おせちの注文ね、 一生するから」

そう言われています。

僕は、子どもたちに、 料理教室の生徒さんに、 おせちを買ってくれる方に、

僕についてきてくれたスタッフに、

‘さよなら’なんて言えない!

その時の、自分に関わってくれている方々の 顔を思い浮かべたら。。。

僕の腹は決まりました。

コックになった頃、師匠から言われた言葉が 鮮明に蘇りました。

人生には二通りの生き方がある。 一つは好きなことを職業にする。

もう一つは

就いた職業を好きになる。

どちらも素敵な人生だが、 増田、お前は後者だ。

この言葉で、モヤモヤした気持ちが、 真っ青な青空のように晴れたのを 覚えています。

同じように、 自分の好きな土地で 生きる人生も素敵なことですが、

住んだ土地を好きになる人生も 素敵なことだと思ったのです。

さらに、住んだ土地に住む人たちを 好きになることはもっと素敵なことです。

あっという間の8年ですが、 僕にとっては宝物の8年間です。

これを読んで下さっている 全ての方にお会い出来て本当に幸せです。

僕には、子ども食堂に来る 子どもたちがいます、

いつも支えてくれる会員様がいます、

この後ろ盾があれば、何があっても 乗り越えられます!

あの日からもう8年です。

僕は自信を持って言い切れます。

あの時の決断は正しかった。 本当に正しかった!

料理人になって、清水に来て、 清水でお店を出せて、本当によかったです。

本日10月6日で、 8周年を迎えることが出来ました。

毎年この日にやる儀式があります。

8年分の予約台帳を見返します。

昔のアルバムを見るように、 台帳をめくると、 ◯◯さんだ、◯◯さんの名前もある、

お客様の一人一人の顔が浮かびます。

8年分の台帳を今日一日中ずっと見てました。

見始めたら止まらないんです。

そして台帳を見ていると自然と涙が出ます。

多分、生きるって感動が詰まっています。

だから、自然と涙が出ます。

僕は、 これだけ多くの方々に支えられてきた軌跡を、 胸に深く刻みました。

感謝の気持ちをこの文章内では とても伝えきれません。

本当に皆様方のおかげ様です。

また8年間、 共に汗を流した『全て』の仲間たちに、 心から感謝します。

9年目がスタートしますが、 より一層、

子どもたちのために、 応援してくれる方のために、 前進あるのみです。

チーム増田は、まだまだ至らない点が たくさんあります。

厳しく、末長いご指導を いただけたら幸いです。

会員様のご来店を、スタッフ一同、 心から、お待ちしております。

〜追伸〜 そう言えば、最近ボンマスダに行ってないなぁという方もぜひ久しぶりに僕に会いに来てください。8周年の記念グッズもご用意してあります。