歯が痛い音楽家

富士山をバックに富士川を渡る東海道新幹線

こんばんは、増田です。

今日は、来月のメニューのご案内です。悩んだ結果、やっぱり“あのメニュー”にしようと決めました。そのメニューは、『シャリアピンステーキ』です。前回ご提供した時には、初老のお客様から「よくぞこの味を再現したな」と、お褒めの言葉をいただきました。あの幻のステーキを復活させます。

時は、1936年。。。日本を訪れていたロシアのオペラ歌手・シャリアピンは、歯痛に悩まされていました。帝国ホテルを常宿にしていたシャリアピンは、歯が痛いことを、当時の料理長であった筒井シェフに伝えました。筒井シェフをはじめとした帝国ホテルの料理人たちは、シャリアピンのために、あるステーキを考案しました。叩いて伸ばした牛肉を玉ねぎの酵素を使い、柔らかくして、歯痛で悩むシャリアピンでも食べられるステーキにしたのです。当時の日本最高峰の料理人たちの、英知が結集した料理が出来上がったのです。そのステーキを出されたシャリアピンは、美味しさとその優しさにとても感動されたそうです。このステーキは、本人の名前を取って『シャリアピンステーキ』と命名され、帝国ホテルの看板メニューとなりました。後の日本が世界に誇った村上信夫総料理長も、シャリアピンステーキをこよなく愛した1人です。

僕はこの逸話を、師匠から聞きました。僕の師匠は、帝国ホテル出身で、故村上信夫シェフの愛弟子だった方です。我が師から、帝国ホテル伝統の門外不出のレシピを、叩き込んでもらいました。口に入れた瞬間に広がるお肉の旨味と、玉ねぎの甘さ。。。当時の料理人の想いと、シャリアピンさんが味わった感動を、体験することが出来ます。しかし、時代と共に作り手が減り、今ではシャリアピンステーキを食べられるレストランが、ほとんどなくなってしまいました。来月は、その幻のシャリアピンステーキを、僕が再現します。ボンマスダのメール会員様に、日本で生まれた素晴らしい料理を、味わって欲しいです。

オーストラリア産牛肉の、キューブロールという部位を使います。キューブロールはヒレ肉、サーロインと並ぶ、高価なステーキ肉の部位です。では、コースの全容です。

シャリアピンステーキ

シャリアピンステーキの商品写真
  • 前菜…富士宮産有機野菜たち(1,500円)
  • ポタージュ…季節のポタージュ(800円)
  • 焼きたてパン(200円)
  • 肉料理…「シャリアピンステーキ」100g(5,900円)
  • デザート(800円)
  • コーヒー、紅茶(400円)

…合計9600円です。帝国ホテルなら、少なからずこれくらいはします(単品1皿5,900円します。。。)。コーヒー1杯1,000円以上、グラスワイン1杯4,000円、しますので。。。

僕は悩みました。9,600円はちょっと高いから、8,000円にします!シャリアピンステーキが誕生してから、80年以上になります。清水の多くの方に、深い歴史を味わって欲しいので、もっとリーズナブルなお値段でご提供した方が、僕らしい、と思い…5,940円(税込)にさせていただきます。はっきり言って赤字ですが、太っ腹にいきます。なぜ5,940円かと言いますと、静岡から東京までの新幹線代が、片道5,940円なんです。シャリアピンステーキを帝国ホテルに食べに行くと、とっても費用がかかります。しかし、清水でも東京までの片道代で、シャリアピンステーキが食べられるところがあってもいいと思います。メール会員様が同席していれば、お連れ様全員同価格になります。こんなに安くシャリアピンステーキを出していることが、師匠にバレたら怒られるので、ここだけの話にしてください。

全て含めて5,940円(税込)です!(プラス1100円でお魚料理追加/プラス1100円で飲み放題可)

今回のこの値段は、本当にバレたら怒られるので、このメールを読んでくれた方に限ります。期間は、11月1日(水)〜11月30日(木)までです。ご予約の際は「シャリアピンコース」とおっしゃってください!(※毎月メニューの案内の後にお席が埋まりますので、お早めにお電話ください)

歯が痛くない方ももちろん大歓迎です!歯が痛い方は早く治療してください^_^