人生の決断

花束を持つ増田シェフ

こんにちは、増田です。

人生には、決断を迫られることがあります。おそらく、誰にだってあるはずです。僕にも6年前、その時がありました。6年前、独立する時に、箱根に帰ろうとしていました。実家のある箱根の周辺で、お店を出そうと考えていたんです。それが僕の人生設計でした。しかし、その決断をすると、清水の方々に「さよなら」を言わなければならない、その寂しさもとても感じていました。「でも、自分の人生だし。。。。でも、寂しいな〜。。。。」──毎日、葛藤していました。

そんなある日、人生を決める一言を言われました。子ども食堂に来ているお子さんに「ずっと子ども食堂に来たいから、ずっとやってね!」そう言われました。僕に抱きつきながら。「もちろんだよ」──僕は、何の躊躇もせずに答えていました。その子に「箱根に帰るから、もう子ども食堂は出来ないよ」とは言えませんでした。そして、冷静に、その時の自分のことを考えてみたんです。毎月開催している料理教室に来て下さっている生徒さんから、「増田さん、来月は何のメニューやるの?」と必ず聞かれます。毎年、おせちを買って下さる方から、「増田さん、おせちの注文ね、一生するから」──そう言われています。僕は、子どもたちに、料理教室の生徒さんに、おせちを買ってくれる方に、僕についてきてくれたスタッフに「『さよなら』なんて言えない!」──その時の、自分に関わってくれている方々の顔を思い浮かべたら。。。

僕の腹は決まりました。コックになった頃、師匠から言われた言葉が、鮮明に蘇りました。

  • 人生には二通りの生き方がある。
  • 一つは好きなことを職業にする。
  • もう一つは就いた職業を好きになる。
  • どちらも素敵な人生だが、
  • 増田、お前は後者だ。

この言葉で、モヤモヤした気持ちが、真っ青な青空のように晴れたのを覚えています。同じように、自分の好きな土地で生きる人生も素敵なことですが、住んだ土地を好きになる人生も、素敵なことだと思ったのです。さらに、住んだ土地に住む人たちを好きになることは、もっと素敵なことです。あっという間の6年ですが、僕にとっては宝物の6年間です。これを読んで下さっている全ての方にお会い出来て、本当に幸せです。僕には、子ども食堂に来る子どもたちがいます、このメールを読んでくれている会員様がいます、この後ろ盾があれば、何があっても乗り越えられます!あの日からもう6年です。僕は自信を持って言い切れます。

  • あの時の決断は正しかった。
  • 本当に正しかった!
  • 料理人になって、清水に来て、
  • 清水でお店を出せて、
  • 本当によかったです。

本日10月6日で、6周年を迎えることが出来ました。この1年もまたコロナ禍の激動の年でした。先月は、大雨による断水で営業出来ない状況になってしまい、かつてないピンチに立たされました。断水の当日、本当に心が折れそうでした。僕は、この仕事に誇りを持ってやってきました。お客様の笑顔が見たくて頑張ってきました。その権利を、また奪われてしまったような感じがしました。コツコツと積み重ねてきたものが、崩れてしまいそうな感じがしました。僕の心の中を正直に話しますと。。。9月末はお店をまともに開けられない状況だったので「お客様がもう来ないんじゃないか。。。」──そう真剣に思いました。先の見えない恐怖がありました。9月の時点では、10月の予約台帳は真っ白のまま。「予約なんて入らないんじゃないか。。。」──本気でそう思いました。そんな中、6周年のコースのメルマガを流したところ、予約の電話が鳴り続け、

  • 営業再開を待ってました
  • 増田さんのメルマガに勇気をもらいました

そんなお声をたくさんいただきました。ボンマスダに、お客様が帰って来てくれました!この時の嬉しい気持ちは、何と表現していいか分かりません。やはり僕らは、お客様あっての僕らなんです!6周年のお祝いのお言葉も、たっくさんいただいております。感謝の気持ちをこのメール内では、とても伝えきれません。本当に皆様方のおかげ様です。飲食業界にとって大変な時期ですが、僕は大切なものを学び、温かいものをいただいています。7年目がスタートしますが、より一層、子どもたちのために、応援してくれる方のために、前進あるのみです。チーム増田は、まだまだ至らない点がたくさんあります。厳しく、末長いご指導をいただけたら幸いです。会員様のご来店を、スタッフ一同、心から、お待ちしております。

※ボンマスダでは、豪雨被害義援金の受け付けも開始致しました。心からご協力をお願い致します。